7期生
卒業制作
Publ
新たな、人や景色と出会いたい
Publ(パブル)は、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の普及や、新型コロナウイルス 感染拡⼤といった社会的要因により、外出先での⾒知らぬ⼈との出会い、⽇常の中での何気ない景⾊の発⾒が減少していると感じたところに起点を置いています。
⼈と出会うということは、その⼈の歩んだ時間や記憶に触れること、景⾊や場所と出会うということは、そこにまつわる歴史や環境などに触れることであると考え、そこから「出会い」「記憶」「時間」をテーマに、豊橋市高師町にある⾼師緑地公園へ撮影・取材に行き、⼈や景⾊・場所との出会いを記録しました。その後、記録した映像を編集し1本のドキュメンタリー映画『公園』を制作し、上映会を行いました。
会いに行く
企画はPubl メンバー⾃ら様々な⼈や景⾊に直接出会いに⾏くという⽅法で進めていきました。7⽉20⽇〜8⽉20⽇の32⽇間と追加撮影期間の4⽇間の計36⽇間撮影を行い、事前にメンバー内で名付けた、横に⼤きく曲がった松の「曲松(まがりまつ)」草原の中に1本佇む「⼀本⽊(いっぽんぎ)」、葉の隙間から差し込む光がどこか懐かしい藤棚の「エモい」といった公園内の風景を撮影、公園利⽤者と公園管理者の計14名を対象に、公園を訪れる理由・公園への思い・公園での思い出を取材しました。
《曲松》
《1本木》
《エモい》
公園の中で『公園』を
映画『公園』の制作では、公園で出会った⼈たちへのインタビューや、時間・天候によって変化する公園の「表情」を撮影⽇順に展開していき、学⽣4⼈が⾃ら⼈や景⾊に出会っていく様⼦を通して、「出会い」とは何かを観客に考えてもらえるようなドキ ュメンタリーを目指しました。
また、上映会では公園の雰囲気を感じながら鑑賞してもらいたいと考えたため、床には⼈⼯芝を敷き、場内に樹葉の装飾を施し、緑や茶⾊を基調とした空間を作り上げました。スクリーンを天井、正⾯、舞台下⼿に⽤意し、公園で撮影した空、「⼀本⽊」、「曲松」を投影することで、公園にいるような会場の雰囲気を演出しました。
その他にも、32⽇間の時間経過を演出するために、会場の前⽅に取材対象者と共に撮影した9枚の集合写真、後⽅には撮影期間中のメンバーの集合写真、印象に残った園内⾵景写真を展⽰し、上映会当日には来場者に、32⽇間撮影し続けた「曲松」「⼀本⽊」「エモい」の場所、公園で⼈々と出会った場所と、そこを名付けた理由を記載したパンフレットを配布し、より映画に没入していただけるような工夫をしました。